日記3 10月2日 木

  • 小説ゼミ1

登内 恵

一般公開

10月2日 木

髪を切りに行く。

蒼白い顔をしながら鏡の前にいた。

昨日は一晩、眠る事がなかった。

こういう時はうまくいえないけど静観というか

自分だけ夜中に放り込まれていつまでも歩みを

止めず佇んでいるような妙な感覚になる。

まるで誘蛾灯につられるような心許なさだった。

そういう時こそスカートよりパンツの方が心強い。

男の子になったつもりでいつも強気でいたいものだ。

そうおもえば帰りに雨が降ったとしても

平気でいられるかもしれない。

登内 恵 トノウチ メグミ

所属:芸術専攻 文芸領域

2025年 文芸領域 小説ゼミ1〈M1〉
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