研究の方向性について

  • 日本・東洋美術史ゼミ

熱田 千織

一般公開

前回のポートフォリオの後、追加で研究の方向性について明記したため、ここに追加で明記する。

①各問題点の仮説の構築を行う。これを行うために、知識の習得を行う。具体的には作行為原論IIの受講である。これに加えて、絵巻物における色彩に関する基礎知識を習得したいと考えている。 

②問題点である「作中に男性が哀しむ場面が描かれていることの重要性」に関する研究である。         各場面の表現方法(登場人物の仕草・表情、風景)の分析を行うとともに、第三図、第四図を観た鑑賞者がどのような印象を受けるのかについて実験を行いたいと考えている。現時点では、実験対象者は、本大学大学院の芸術学・文化遺産領域の学生とし、実験対象者に各場面の情報無しの場合と情報有りの場合に分けて、どのような印象を受けるかを調査したいと考えている。 

②問題点「登場人物の男女哀しむ表現方法の性差」である。

男女の表現方法に関する論文を見つけること、絵巻物における「哀しむ」という表現になるための条件の確立を行う。同時に、《寝覚物語絵巻》に使われている色彩の分析を行うこととする。色彩の分析に関しては、《寝覚物語絵巻(模本)》が現存しているが、《寝覚物語絵巻》の状態があまりよくないため、色彩の分析が可能であるかということ、自分自身の絵巻物における色彩に関する知識がないという問題点があるため、絵巻物の色彩に関する論文を見つけ、その知識に乗っ取って色彩の分析を行うこととする。《寝覚物語絵巻》の色彩に関しては、《寝覚物語絵巻(模本)》で色彩の分析を行っても研究に支障がないのか先生確認したい 

 以上を踏まえたうえで、《源氏物語絵巻》「御法」と《寝覚物語絵巻》第三図・第四図の男女別の「哀しむ」表現方法の性差について問題点①で得られた研究結果と色彩の分析結果、「哀しむ」という表現になるための条件を基に調査を行いたいと考えている。

熱田 千織 アツタ チオリ

所属:芸術専攻 芸術学・文化遺産領域