日記4 10月4日 土
- 小説ゼミ1
10月4日 土
今日は3時10分までに
歯医者へ行こうとしたら、いつもより1時間早く
行ってしまったみたいだ。
なぜに?ではない。
ただ単純に私が慌てんぼうだったからだ。
結局、暇すぎて商店街をウロウロと鰻みたいに
行ったり来たりしながら待って、
歯医者へ向かうと今度は嚙み合わせを治すのに
赤や緑の色付きのフィルムやらガムっぽいものを
嚙まされたりして最後は少し歯を削られて終わる。
帰りは滝みたいな雨に降られた。
滝行しているみたいだ。
お手軽な修行。
こんなことで悟りが得られたら楽なんだろうな。
でも生きているだけでそれに近いものをみんな
得ているのかもしれない。
(あまり早くに悟ったら早死にしてしまうのではないかとおもうことがある。)
そういえば、東京の雨はなんか臭い。
湿気と土に塵というか埃とか、ありったけのゴミの臭いがする。
昔、香川にいたことがあって、
そこでは土と草の匂いが、ふいにつん、と香る事があった。
これを「草いきれ」というそうだ。
夕立もただの雨もそうだった。
ゴミ箱も街中もあったんだ。
雨が降ると全部もってかれて
朝にはなにも残らない。
かならずどこかにいっている。
どこだろうか?
きっと嵐が
夜の間に海とか山へもっていったんだろう。たぶん。